建築士って儲かるの? 超ブラック業界? 現役建築士が実情をご紹介します。 ふらっと建築雑談
みなさんこんにちは!
ふらっとです!
今回は、建築士って儲かりそうって一般の方は勘違いしていると思うので、現役の建築士である私が実情をシェアしようと思います。
私自身、高校生くらいのときは建築士は儲かるもんと思っていました。
建築というこの世で一番高額な物を設計するのだから、それなりの対価があるだろうと考えていました。
設計事務所の種類によって違うので、事務所の種類ごとにご紹介します。
そもそも建築家と建築士の違いとは
収入のお話をする前に建築家と建築士の違いについて解説しておきます。
簡単に言うと建築士が国家資格者で建築家は包括的な表現です。
資格を持っていなくても、建築設計に携わっていたら、建築家と読んでもいいと思います。
建築士は3つに分かれています。
- 木造建築士
- 2級建築士
- 1級建築士
建物の設計をする場合はこの建築士の国家資格がなければ基本的に設計ができません。
建築士法に明記されています。
木造・2級・1級の違いは規模・構造によって違います。
木造建築士
木造建築士というのはその名の通り木造の建築を設計することのできる資格です。
比較的小規模の木造建築のみ設計することを許可された資格になります。
2階以下、300㎡以下の木造なら設計できます。
2級建築士
2級建築士はそこそこの大きさの建築を設計することができます。
木造だと3階以上、1000㎡以下なら設計できます。
木造以外(鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)なら3階以上、300㎡以下なら設計できます。
住宅設計メインであれば2級建築士があれば、全然困りません。
私が持っている資格はこの2級建築士です。
先輩たちは2級建築士を取らずにいきなり1級建築士に挑戦して、10年取れない人ばかりです。
2級でも持っておいたほうが良いです。。。
1級建築士
1級建築士は全ての建築を設計することができます。
マルチな資格です。
全ての建築を設計できるため、受かるためのハードルがめちゃくちゃ高いです。。。
1回受けましたが、合格点まで14点足りませんでした。。。
無資格
先程、建物の設計をする場合はこの建築士の国家資格がなければ基本的に設計ができませんと申しましたが、無資格でも設計できる場合があります。
しかも、合法的に!
ただ、かなり規模が小さいです。
木造なら2階以下、100㎡以下、木造以外なら2階以下、30㎡以下となります。
正直この規模で、住宅は厳しいです。
倉庫ぐらいしか設計できません。
月いくら位もらえるのか?
それでは本題に入ります。
今回は初任給ベースで考えて行きます。
もちろん設計事務所によって違いますので、私の経験でのご紹介になります。
経験と言っても1つの事務所しかまだ経験がないので、友人たちの話から推測していきます。
組織設計事務所の場合
約25万円~30万円くらいだと思います。
前回ご紹介しましたが、エリート集団なので、それなりの金額をいただけます。
また、人数も多く、大企業なので、法の目が行き届いているため、残業手当や休日手当など様々な手当をつけてもらえます。
意匠設計事務所
ここはかなりピンキリです。
僕の周りの情報だと、約9万円~25万円くらいだと思います。
話を聞いた友人で一番安かったのは9万円でした。
9万円ですよ!
ここから更に引かれるらしいです。。。
初任給なので、今がどうかはわかりませんが、それでも低すぎます。
これは、地方で住宅だけの設計をしているためだと思います。
前回ご紹介しましたが、8ヶ月で120万くらいの設計料しかもらえないので、無理もないかもしれません。
少ない人数だと仕事の量をこなすことが難しいので、収入を増やすことができないという負のスパイラルに陥っている事務所が多い気がします。
平均的には約15万円~25万円だと思うので、生活はギリギリできると思います。
しかし、少人数のため、法的な目が届きにくいので、残業手当や休日手当、有給などは皆無です。
何日徹夜しても給料は変わらないので、本当に設計好きでないとキツイかもしれません。。。
雑務設計事務所
ここは、意匠設計事務所の平均と変わらない約15万円~25万円くらいだと思います。
ここも各手当はほぼ無いと思ったほうが良いです。
仕事内容があまり設計寄りではないため、好きでやってる感がありません。
なので、かなりキツイと思います。
資格によってはどうなのか?
資格手当というのはどういう事務所でも必ずあります。
初任給9万円だとしても、資格手当はあるはずです。
しかし、1級建築士以外はあまり給料は上がらないかもしれません。
木造建築士は正直資格を持っていないのと同然だと思います。
私の場合は、2級建築士をとってからだと2万円ほどしか上がりませんでした。。。
1級建築士になると5~8万円くらいになるのではないでしょうか?
このくらいの手当だと非常にコスパが悪いと思います。
独学で勉強できる人は別ですが、合格者の80%は資格学校出身者と言われています。
資格学校はめちゃくちゃ高いのです。
プランにもよりますが、60万円~90万円くらいなのです。
しかも、1発合格ならまだしも、3年とか5年とかかかる人はかかった年数分は返済に当てなければ元が取れません。。。
個人的には、設計事務所として独立する気がない人は取らなくても良い気がします。
手当は少なく、寝る間を惜しんで勉強し、遊ぶこともなく仕事と勉強の繰り返しで、何年もかかるのであれば、ちゃんと寝たり、遊んで人生有意義に生きるほうが価値があると思うからです。
特に意匠設計事務所は、仕事量が多いため、仕事だけで何百時間の残業しているので、勉強する時間がないですし、無理やり作ったとしても非常に効率が悪いです。
先輩の背中を見ていて、全然遊ぶこと無く、仕事と勉強ばかりしているので、人生楽しいのかな?って常に感じています。。。
人生人それぞれなので、仕事が全てという人は仕事と勉強ばかりすることに喜びを感じると思うので、全然いいと思います。
私も設計の仕事は好きです。
しかし、設計以外にもこのブログだったり、旅だったり、サッカーだったり、やりたいことが多くあるので、コスパの悪い1級はほぼ諦めました。。。
まとめ
設計事務所はサービス残業当たり前の世界です。
それに疑問を持つ人がほとんどいない世界なのです。
サービス残業200時間以上の超ブラック業界です。
初任給20万円もらえたとしても、時給換算したら500円程度です。
正直普通のバイトを何個か掛け持ちしたほうが稼げます。
ただ、お金以外の経験ができます。
設計は衣食住の住の部分を担う仕事です。
建築がないと住むところも、病院も、工場もありません。
人は建築のない生活はできませんので、建築の中核である設計ということをさせてもらっているということは、お金以上の価値があるかもしれません。
そのモチベーションでだいぶ頑張れます。
かなりディスってしまいましたが、お金と経験を同時に得るのには最高の職業なので、一度この職業を経験してみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました!
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