オリンピックの影響で建築業界は仕事が増えたのか? ふらっと建築雑談
みなさんこんにちは!
ふらっとです!
最近は東京オリンピックの抽選チケットの発表があって、盛り上がっていますね!
今回はそんなオリンピックによって建築業界はどうなっているのか?
というようなことをシェアしていきたいと思います。
これは、私が建築業界にいて肌感で感じたことなので、一概には言えないことかもしれませんので、ご了承ください。。。
オリンピックと建築
そもそもオリンピックと建築の関係は?と思う方もいらっしゃると思います。
オリンピックが開催されると、そのスタジアムや競技場を整備したり、新たに作らないといけません。
今回新たに建てられる施設は、新国立競技場、東京アクアティクスセンター、有明アリーナ、海の森水上競技場、カヌー・スラロームセンター、大井ホッケー競技場、夢の島公園アーチェリー場、武蔵野の森総合スポーツプラザ、有明テニスの森公園、選手村です。
仮設施設として有明体操競技場、海の森クロスカントリーコース、潮風公園、青海アーバンスポーツパーク、有明アーバンスポーツパーク、陸上自衛隊朝霞訓練場になっています。
こういった公共施設や付属施設がこんなに大量に造られることはほぼ無いので、需要が高まっています。
建築がなくても成立する競技もありますが、ほとんどの種目が建築が無いと成り立ちません。
オリンピックを開催するには建築は不可欠なのです。
地方への影響
しかし、オリンピックによって建築の需要が高まっているのは都心だけでしょう。
実際、福岡で設計事務所に勤務しておりますが、オリンピックが決まったからと言ってその波が地方まで影響している実感はありません。
普通に考えれば、オリンピックが開催されない場所には建築の需要が無いですからね。
むしろ、困っていることがあります。
それは職人不足。
職人不足
ただでさえ、職人が年々減っている状況なのに、オリンピック会場建設に職人が足りないのでそっちに流れてしまっているのです。
また、東日本大震災や西日本豪雨などの災害復興によっても職人が流れています。
地方は少なかった職人が更に少なくなり、現場を抱えることのできる数が少なくなった建設会社が多くあります。
うちが設計して建設を依頼しても職人が確保できなかったので辞退させてくださいといったことが結構ありました。
さらに、職人が少ないので工期が長くなることや予算の高騰にも繋がります。
高力ボルト不足
問題は職人不足だけではありません。
それは高力ボルト不足です。
いわゆる鉄骨造用のボルトなのですが、その数が異常に少なくなっております。
原因はいろいろありますが、オリンピック施設にも大量に使われているので、不足しているボルトが更に不足しています。
やはり、高力ボルトは中小規模の建築より優先的にオリンピック施設に回されているようです。
通常であれば、工事契約をしたらすぐに発注して納品して建設開始となるのですが、今の納期は約1年待ちの状態です。
これは異例中の異例です。
工期が1年で済むところを+1年の2年掛かるので建設会社にとっても、オーナーにとっても大打撃です。
1年経てば見積もり価格も変わるので、建設会社は赤字になりかねません。
まとめ
都心だけ見れば、オリンピックによる建設ラッシュや観光客の増加などで経済的に潤滑に回っているように見えます。
しかし、地方にとってはそんなことはなく、むしろ経済的に落ち込んでいるのでは無いか?と思うことがしばしばあります。
日本全体として見た時に経済状況はプラマイゼロのような気がします。
オリンピックは一時的な経済効果をもたらしますが、その過程やオリンピック後に悪影響を及ぼしていないか、そういったことを国が心配してくれているといいですね。
今回は私の主観なので、もしかしたら建築業界が盛り上がっている地方もあるのかもしれませんね。
最期までご覧いただきありがとうございました。